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2017年3月20日月曜日

ホテルチェーン、FSPプログラムの特徴

航空会社の顧客囲い込みの仕組みとしてFFP(Frequent Flyers Program)があるようにホテルにおいても同様のポイントシステムがあります。FFPになぞってFSP(Frequent Stayers Program)と言われていた時期もありました。有名なのは、Hilton Hotels & Resorts(傘下のブランドとしてはヒルトン、コンラッド、ウォルドルフアストリア、DoubleTree by Hiltonなど)のHHonersやStarwood Hotel & ResortsのStarwood Prefered Guest(略してSPG。最近マリオットに買収されました。傘下のブランドとしてはシェラトン、ウェスティン、W、セントレジスなど)、Hyatt Hotel & ResortsのHyatt Gold Passport(傘下のブランドとしてはグランドハイアット、パークハイアット、ハイアットリージェンシーなど)、他にもIHG、フランス系のAccor Hotels、日本だとリーガロイヤル、阪急阪神第一ホテルグループなど探せばきりがないほどFSPプログラムがあります。私たちはFFPと同じように、こだわりすぎない範囲でこれらFSPプログラムも活用しております。

グローバル展開しているプログラムを整理してみました(2016年現在)。


以下は単一の企業により運営されているホテルチェーン、プログラムです。ガバナンスが十分に効いているためどこでも一定の品質が期待できる一方、味気無さを感じる場合もあります。
プログラムMariott RewardsHHonorsIHG Rewards ClubspgLe Club Accor
hotels
Club CarlsonHyatt Gold Passport
運営母体マリオット・インターナショナルヒルトン・ホテルズ・コーポレーションインターコンチネンタルホテルズグループスターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイドアコーホテルズカールソン・レジドール・ホテルズハイアットホテルアンドリゾーツ
本社所在地アメリカアメリカイギリスアメリカフランスアメリカ
ベルギー
アメリカ
売上高(M USD)27,50026,50022,00015,00013,0008,0007,000
展開国数1201001001009054
ホテル数6,0004,6004,7001,2003,5001,440667
部屋数1,100,000650,000
主要ブランド(上位)Ritz Carlton
Autograph Collection
JW Marriott
Waldorf Astoria
Conra
Inter ContinentalST. Regis
W Hotels
Luxury Collection
Raffles
Fairmont
Andaz
Grand Hyatt
Park Hyatt
主要ブランド(中位)Marriott
Renaissance
HiltonCrown PlazaWestin
Sheraton
Meridien
Sofitel
Pullman
Swissôtel
RadissonHyatt Regency
主要ブランド(下位)Courtyard by MarriottDoubleTree by HiltonHoliday Innaloft FourPoints by SheratonMercure
Mgallery
Novotel
Ibis
ParkInn

以下はそれぞれ独立したホテル/ホテルチェーンが複数集まって構成されるプログラムです。
プログラムGHA DiscoveryiPreferLeaders Club
運営母体Global Hotel AlliancePreferred Hotel Groupザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド
本社所在地アメリカアメリカ
売上高(M USD)
展開国数767575
ホテル数550800375
部屋数54,000
主要ブランド(上位)Kempinski
anantara
Leela
独立系独立系
主要ブランド(中位)Corinthia
Rixos
独立系独立系
主要ブランド(下位)Alila
Pan Pacific
Outrigger
独立系

こうした中でよく使っているホテルチェーン、プログラムに対する個人的な見解をまとめます。


ヒルトン HHonors


知名度もあり、ホテル数は4,000以上と世界トップクラスのホテルチェーン。日本では、三井住友カードが発行しているクレジットカードを所有することで上位ステータスを簡単に取得できます。しかも年会費は10,000円程度で同じくステータス付与のあるspgのクレジットカード(30,000円強)に比べお手軽です。年間1、2泊すれば元とれちゃう感じです。

ただ、ホテル数の割に、特にアジア系はあまり強くなく、都市によってはホテルがなかったり、あってもあまり魅力的でなかったりします。例えば、台湾には1件もありません、ベトナムのホーチミンにもないです。(ヒルトンよりホテル数の少ないihg、spg、hyattがそれぞれちゃんと持っているのに…)。また、私たちが好んで泊まっていたのに、ヒルトン系から脱退してしまったホテルもいくつかあります。そういった意味では私たちの趣向とはそんなに合ってないのかもしれないと最近思い始めました…。ちなみになくなったホテルというのは…。パリに以前、凱旋門の近く、日本大使館の隣という閑静な環境にHilton Arc de Triompheというホテルがあり気に入って利用しておりましたが3年ほど前にhilton系列から脱退し、Hotel du Collectionneur Arc de Triompheとなり、priferredグループに移りました。hiltonは最近ではOpera近く1件確保したようですが、そもそも4,000件もあるのに、有数の観光地であるパリの中心地に1件しかないというのはちょっとバランスが悪いです。ブリュッセルにあったConrad BrusselsもSteigenbergerにリブランドされてしまいました。経緯は分かりませんがブランド運営側とマネジメントコントラクトで参加しているホテルのオーナー間で何かしら衝突が多いのかもしれません。

おススメホテル

 

Hilton Moscow Leningradskaya Hotel

旧レニングラードホテル。モスクワ市内でセブンシスターズと呼ばれているスターリン様式の建物の1つであり、泊まるだけで旧共産圏を感じることができます。ラウンジの従業員は英語があまり通じなかったりしますが('12年滞在時、たまたまかもしれません)、軽食が頂けるのは食に難のあるモスクワでは効果的です。周囲より飛びぬけた高層建築なので眺望も期待できます。徒歩圏のレニングラード駅は、サンクトを結ぶ新幹線サプサンの停車駅で3時間でサンクトペテルブルグ間を移動できます。カザン駅も(こちらは乗ったことありませんが、いつか乗りたい)シベリア横断鉄道のモスクワ発着駅だったり、カムサモーリスカヤ駅は、モスクワ地下鉄有数の装飾の美しい駅で利便性とともに、異国情緒を感じられる環境です。

レニングラードスカヤ駅前広場から望むヒルトンモスクワ(右側の高層建築物)、左側の尖がっているのはカザン駅

部屋からの眺め。左側の尖っているビルも7Sistersの一つ運輸省ビル。更に奥も一つ(多分外務省ビル)

最上階ワイドスパンの広い部屋、でもソファーセットがないところがロシアっぽい・・・

ラウンジでの夕方の軽食。ほかの国ではあまり見ないオードブルが印象的。スープやキノコを具材とした料理がロシアっぽい

カムサモーリスカヤ駅のホームは圧巻

Rome Cavalieri, Waldorf Astoria Hotels & Resorts

建物自体はスタイリッシュですが館内には至る所に美術品が展示されており文化都市ローマを感じられます。ラウンジであるImperial Clubは、HHonorsのアップグレード対象外となっていますので希望する場合はImperial Clubアクセス権付のプランで予約する必要があります。その分、飲み物、フード類は充実しています。プールも優雅です。ローマの夏は晴れが多く、日差しも強烈ですので、利用機会が高いと思います。立地は中心部からはちょっと離れていますので、タクシーもしくはシャトルバスの利用となりますが、丘の上にあるためCity View側の部屋からの眺めは素晴らしいです。(多少角度が付きますがサンピエトロ大聖堂のクーポラも望めます。)

きんきらきんのロビー

部屋からの眺め、左下はプール

優雅な感じの朝食@Imperial Clubバルコニー、でもこの後バチカン博物館に行くので急いで食べる・・・

Trianon Palace Versailles, A Waldorf Astoria Hotel

ヴェルサイユ宮殿に隣接する外観も宮殿のようなおしゃれなホテルです。ヴェルサイユ宮殿に訪れるのであればここに一泊してゆっくり散策するのも一興です。パリ中心部より30分から1時間程度離れているため、中心部に比べ比較的リーズナブルなレートで宿泊できるのもポイントです。

ヴェルサイユ宮殿には負けるがこちらも宮殿っぽい

朝食会場

素敵な朝食

SPG


 最近marriottに買収されました。今のところ、ポイント等は互換性を持たせつつそれぞれの系列は維持されていますが今後整理される可能性があります。日本ではAmerican Expressから発行されているクレジットカードを持つことでゴールドステータスを得られますが、年会費が30,000円強と結構高額でコストパフォーマンスは使い方次第となります。
 ホテル数は、1,400とマリオット系列、ヒルトン系列の4,000オーバー、アコーの3,500などに比べると少ない印象ですが、要所は抑えており、また結構グッとくるプロパティを持っており、地域の独立系ホテルを積極的に勧誘し取り込んでいる印象があります。
 先の通り最近ヒルトン系と距離が出来始めていることもあり、ちょっと高いですがspgのクレジットカードも作ってしましました。これから積極活用したいと思っています。これからですのであまり泊まったことのあるホテルは少ないですが、今後充実されられればと思っています。

おススメホテル

 

Augustine, a Luxury Collection Hotel

私たちが滞在した2015年当時はspgブランドではありませんでした。
1300年ごろにできた修道院を中心に周囲の9件ほどの建物を繋げて一つのホテルとして運営されています。そうした経緯もあり、ホテル内外を含め周囲は統一感のある建物で雰囲気があります。王宮もカレル橋も徒歩圏で街歩きに最適です。目の前は路面電車が走るため、通り側の部屋は若干騒音がありますが、それはそれでプラハらしいとも言えます。私たちはほとんどお酒は飲みませんので直接恩恵を受けていませんが、ビールで有名なプラハということもあり地下に醸造所も持っているようです。メインダイニングでコース料理を食べましたが、たまたまそのビールを使った料理が含まれており美味しくいただきました。訪れた時に偶然修道院の部分で普段は非公開になっている施設の見学ツアーがあるからとお誘いを受けましたが、別の用事で参加できず残念でした。そうしたミステリアスな部分も歴史を感じられるホテルでした。

中庭(車寄せ)はたまたまクラシックカーばかりでタイムスリップした雰囲気

部屋はコンパクトだが温かみのある感じ。リノベーションされてるのでスタイリッシュ

デギュスタシオンコースで出た自家製ビールを使った一品

アコーホテルズ


 旦那さんの出張の常宿がこの系列だったため2016年会員になりました。年間30泊からゴールドになるところ、27泊で3泊足りずシルバーという残念な結果となりました。(T_T) ゴールドからRoom Upgradeなどの付加価値の高いベネフィットが得られるためこの差は大きい… フランス系ということで、ヒルトンの弱いパリなどに強く、補完関係が成り立つかと思っていたのですが、常宿が変わったため当分使い道はなくなってしまいそうです。貯まったポイントが切れる前に何かに使わねば。
 ホテルブランドとしては、Sofitel、Pullman、Mercureと日本には来てないブランドもありますので地味な印象ですが、2015年末にフェアモント・ラッフルズ・ホテルズ・インターナショナルを買収し、Fairmont、Raffles、Swissôtelがラインナップに加わりました。それらも日本にはありませんのであまり関係ありませんが、私たちがぜひ行きたいと思っているFairmont Le Château Frontenac, Quebecが対象になりました。ポイントが切れる前に行けるかどうか…


Global Hotel Alliance


 これまた日本ではほとんど知名度がないと思われるプログラムです。参加ホテルは日本に1件もありません…。旦那さんの出張先の常宿はアコーからこちらに移りました。なんとマニアックな…
 このプログラムは、非常にユニークで、宿泊数による会員ステータス、ステータスに応じたアップグレードやサービス提供はありますが、他のプログラムで一般的なキャッシュバックに相当するポイント制度がありません。その代わりにオプショナルツアー、食事、スパなど「体験」の提供があります。複数のホテルグループで構成され、グループを超えて顧客の誘導を促進するために、年間で利用したブランドの数で付与される体験の数を決める形となっており非常によくできたプログラムとも思います。
 参加しているホテルグループとしては、Kempinski(ドイツ)、Rixos(トルコ)、PanPacific(シンガポール)、Leela(インド)、anantara(タイ)とそれなりに知名度がありつつ個性的なラインナップです。日本のホテルグループもどこか参加すればいいのに… 阪急阪神第一ホテルグループさんいかがでしょうか?
 このプログラムの最上位ランクはDouble room upgrade(2ランクアップグレード)という他であまり見ないベネフィットもあります。2017年早々にBlack Levelになりましので、これまた行きたいと思っているCiragan Palace Kempinskiに行かねば!


- - - Have a Happy Travel ! - - -

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